具体的活用法
ここでは活用法の主なものを取り上げ、特徴や選択基準について解説します。
活用法ごとに利点・欠点もありますし、いい時期・わるい時期もあります。まずは概要と特長をつかみましょう。

具体的活用法1 アパート
概要 アパート土地活用といってまず頭に浮かぶのがアパート経営でしょう。工業専用地域以外であればどこでも建築可能ですし、中規模以上である程度形状の整った土地があれば対応可能です。
固定資産税等の評価額がアップし、保有コストが上昇したこと、また相続時に財産評価額がアップしたことなどから、賃貸目的の住共用建物を建てるケースが増え、中でもアパートを建てる人が増えてきています。
またアパートと言っても内装、外装とも非常に品質に対する意識が高まってきており、見栄えの良くないアパートは敬遠される傾向にあります。
予算 アパートのグレードや道路付け等の条件によって変わってきますが、目安としてファミリー向けアパートであれば、戸あたり800万程度と考えておきましょう。これ以外に入居率を上げるためにエアコン等の備品を設置するケースが増えてきていますが、これらは費用として償却可能ですので節税には効果的です。
土地の適性 周囲にどのような人が多く住んでいるのかリサーチの上で決定する必要があります。
独身者が多いような地域の場合、交通の便が良くない土地はアパートには不向きです。妻帯者が多い地域では交通の便に加え、商業施設や文化施設が近くにないとアパートには向きません。学生街ならば近隣に商店街や娯楽施設などが整っている土地がアパートに好ましいと言えます。
また、近年アパートの供給量が増えていますので、計画地周辺の他物件の入居状況などをよく調査することが重要です。入居者を確保するためには、設備の充実やペット対応など、多物件の対する差別化を図る努力が必要となります。

具体的活用法2 マンション
概要 マンションアパートと並んで一般的な土地活用法です。やはり立地が重要なポイントですが、土地の高度利用が可能な地域では特に有効です。ファミリー向けのタイプとワンルームマンションタイプに大別されますが、どちらが好ましいかは立地によって判断すべきでしょう。
予算 建物のグレードや設備によって当然異なってきますが、ファミリー向けのタイプの場合で一般的には坪当たりの予算として40万〜50万円程度を見ておく必要があるでしょう。ワンルームマンションの場合はワンルームという狭いところにバス・キッチン等の設備類、付属設備等を詰め込んでいくわけですから、単価も若干高くなり、坪当たり60万円程度の予算を見ておく必要があるでしょう。これら以外に設計管理費(通常工事費の5%程度)を考えておく必要があります。
また、RCマンションの場合は、アパートと比較して償却期間が長いため(47年)、将来を予測し、中長期的に事業が成立するかを十分に検討する必要があるでしょう。
土地の適性 ファミリー向けタイプの場合、近隣に商業施設、文化施設があって生活の利便性が高いことが重要なポイントとなります。ワンルームの場合、立地条件は対象が独身社会人か学生かで異なりますが、社会人の場合は通勤の便、学生の場合は繁華街、商店街へのアクセスの良さが重要視されるようです。また、アパートと同様に、供給量が非常に多くなっているため、周辺物件の稼働状況の調査や多物件に対する差別化方法の検討が求められます。

具体的活用法3 戸建て賃貸
概要 戸建て賃貸アパートに代わって脚光を浴びつつあるのが戸建賃貸住宅です。特徴の一つは、50坪程度の狭い土地、かつ、アパート・マンションと比較して低予算で始められるため、一般のサラリーマン層が個人の宅地で年金対策として始められるケースが増えてきています。
さらに魅力的なのが、戸建に住みたいという入居者ニーズが多いのにもかかわらず、戸建の賃貸住宅の供給が少ないため、賃貸経営者としては高い家賃設定が期待できることです。
予算 多種多様ですが、当サイトが推奨している戸建賃貸の場合は、1棟あたり750万〜800万円程度で建築可能です。
多くの戸建賃貸は木造ですので償却期間は短いですが、先々の入居者確保のためにも、中長期的な老朽化を防ぐための対策が打たれているかどうかが見極めのポイントとなるでしょう。また、管理の手間もかからないことや、分筆も可能なため将来の売却や遺産分割が可能なことがメリットとなります。
土地の適性 賃貸住宅である以上、立地は重要な点であることに変わりはないのですが、入居ニーズが高いために駅から少々遠くても問題がないことが魅力です。また、変形土地や狭小地など、他の活用用途が困難な土地でも有効活用を検討できます。

具体的活用法4 駐車場
概要 駐車場機械式と自走式に大別されます。機械式はさらにタワーパーキング式と多段式に分類できますが、前者の場合は比較的狭小地でも多くの台数が収容可能です。これに対して自走式の場合は、広い土地が必要となります。立体駐車場は土地の広さに応じて、様々の種類のものから選択が可能です。
通常の場合借家権も発生しませんし、取り壊しが容易なケースが多いことから、暫定的な活用をする場合に適した活用法です。
予算 タワーパーキング式の場合で1台あたり200万円〜、多段式の場合で1台あたり50万円程度の予算を見ておきましょう。プレハブの自走式の場合は坪当たり40万円程度の建築費を見ておく必要があります。
一般的に月あたりの駐車料金収入の100倍以内に予算を抑える必要があると言われています。
土地の適性 都市部においては駐車場不足の状態が続いており、有望な活用法と言えますが、特にタワーパーキング式の場合は建築物となりますので、法的な制限を受けるケースが多くなります。所有する土地がどのような用途地域に該当するのかによって建築できない可能性もあります。道路の幅員によって制限を受けることもありますので事前確認を十分にしておきましょう。